本学科の教員が企画メンバーを務めているSIAFラボ(札幌市資料館1階 SIAFラウンジ)にて、
2016年9月17日(土)にラウンジトーク vol.3「リアリティってなんだ?」が開催されました。
ゲストには、藤木淳さん(メディアアーティスト、科学技術振興機構さきがけ研究者/東京藝術大学JST研究員)をお招きし、作品や活動の紹介を通じて、リアリティとは何か、人それぞれの認識の違いなどについてお話をお聞きしました。
プロダクトデザインを専攻していた大学時代から、3DCGソフトウエア等がどういう仕組みでできているのか興味を持ち、3DCGソフトウエアの開発会社に入社後、本物そっくりを追求するだけではなく、リアルな表現が何かということを考え始め、個人的にユニークなアプリケーションを開発することになったそうで、学生時代から進行中の研究までをご紹介いただきました。
作品制作の過程の中で、コンピュータを扱う機会はますます増えていく一方ですが、ソフトウエアで何かを作る上で、私たちは「見た目どおり操作した結果がそのまま期待した状態になっている」ことを期待します。これはコンピュータのユーザインタフェースに関する用語で、WYSIWYG(ウィジウィグ)と呼ばれる考え方ですが、藤木さんが開発する「Incompatible BLOCK」や「OLE Coordinate System」などのアプリケーションは、同時に錯視・錯覚に見られるような違和感を伴う空間設計になっていて、人間の認知過程にとってある意味、直感的とも言える不思議な時空間を作り出します。
(これまで藤木さんが開発されてきたソフトはHPからダウンロードも可能です。)
そして「OLE Coordinate System」が、第10回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞となり、展覧会に来ていた関係者の目に留まり、ゲーム化することになったそうです。それがSONY Play Stationの「無限回廊」やPlay Station 3 「無限回廊 光と影の箱」となったとのこと。ゲームやアプリケーションに興味のある学生も聞きに来てくれていて、良い機会に成ってのではないかと思います。今回、札幌ファクトリーで開催しているメディア芸術祭 札幌展では、藤木淳さんの「ゲームキョウカイ」という家庭用ゲーム機の歴史を横断しながらゲームをプレイすることのできる作品も展示されていますので、お近くにお越しの際は、是非、お立ち寄りください。